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講演内容は、今回ご紹介する“これからeビジネスをはじめてみよう”という方向だけでなく、“具体的なオンラインショップ設立の心構え”や、“製造業者向きeビジネスのポイント”、“具体的な集客・サイト運営の秘訣”など…受講される皆様のレベルやニーズに合わせたお話をご用意いたしますので、お気軽にお問い合わせください!
「中小零細企業経営者セミナー」での講演内容抜粋
2002年5月17日に東京両国の国際ファッションセンター株式会社にて開催されました「中小零細企業経営者向セミナー」での講演内容抜粋です。割愛した部分も多くあり、意味がわかりにくいところもあるかとは思いますが、全体の雰囲気をつかんでいただければ幸いです。
■ あいさつ、自己紹介
村上です。よろしくお願いします。私は滋賀県からやってきました。最近東京にこうして来させていただくことが多いのですが、そのたびに感じるのは、活気はまだ関西よりは東京の方があるなあということです。本日は、どうやったらインターネットを活用して儲かるのかな?というのを考えていただきたいと。ぜひまだビジネスに活用されていない方は一歩踏み出してもらうきっかけをここで今日感じていただけたら、一番かと思うのですが。そんなことですすめさせていただきます。
私は、2002年1月から独立しまして、一人でこういう活動を…。eビジネス啓蒙家と勝手に言っているのですが、これはこうい場で、インターネットのこととか、eビジネスのことを正しく理解してもらって、思い切って一歩踏み出してもらおうと、そういう勇気を出してもらおうというような啓蒙啓発を、いろんなところで講演をさせていただいてやっています。
それともう一つは、もともとが二六製作所は製造業でしたので、中小製造業を中心に、中小製造業は部品を基本的に作っていたり、企業間商取引、BtoBと言われるものを、eビジネス、インターネットを活用してやって、うまくいっているところがないというところで、一応5年間、6年くらいやってきた実績を踏まえて、コンサルティングをさせていただいています。
1997年の9月1日にオープンしたマグネットワールド、二六製作所の、磁石の情報を発信して、磁石を売っていこうじゃないかという、ECサイトです。こういったものをずっとやっていました。現在ではふぁーすと・らぼということで、自分でホームページを立ち上げまして、そのBtoBでどういうふうに活用したらうまくいくのだろうということを、今日もお話しさせてもらいますけれど、それは話しきれない部分もあると思いますので、ぜひこのURL、www.e-b2b.jpを入力してもらうか、Googleで”BtoB”だけ入れてもらっても出てきますし”村上肇”でも出てきますので、その辺で検索の練習にもなると思いますので、このページを開いていただいて、中に割と基本的なこと、こういう風なことを考えてやっているのですということを書いていますので、時間のあるときにぜひ見ていただきたいと思います。今日はマグネットワールドについては事例紹介ということで詳しくやりますが、こちらの方はまたぜひ見てください。
それで今日のお品書き、メニューですが、インターネットやITは儲からないというような風潮が今強くなっています。周期的に来ているような気がするのですが。最初私がインターネットというものを知って、なんかこれでビジネスをやってみたいと思ったのが95年くらいですが、それから96年あたりに大企業がホームページをどんどん作りまして、その頃もインターネットなんてあかんで、ホームページを作ってもお金がかかるだけで、ソフトハウスを儲けさせるだけで、ぜんぜんビジネスに繋がらない、「あかんは」というような風潮がありました。それが97年から、そうでもないよ、儲かっているところも出てきたよというようなことになりましたが、2000年から下り坂で、今底ぐらいになって、ここからまた盛り上がっていくのではと、私としては盛り上げていかないといけないという風にも思っています。
今日のタイトルにもありますように、一歩踏み出す「勇気を出して情報発信!」。 情報を、今までこういうことを、人間の歴史の中で無かったことだと思うのですね。 自分から個人が情報発信して、それをビジネスに繋げていくというのは、なかなかなかった。小さい中では話があったかも知れないけれど、日本全体、世界中に向けて情報発信して、そこから何かを生み出していこうということは出来なかったことですが、それが出来るようになったので、ぜひやっていただきたいと思っています。で、ちょっと大袈裟に書いていますが、初期投資70万円で年商1.6億円の秘密ということでマグネットワールドの事例紹介をさせてもらいます。
■ インターネットやITは儲からない?
最初のインターネットやITは儲からないのかなということですが、インターネットやITは儲かるという表現もおかしいですが、それは2000年頃にアメリカでいろんな大きなECサイト、物販をするサイトが倒産したりして、ネットバブルが崩壊したとか言われた。それから、最近でもIT関連企業のリストラ、大手電機メーカーが何千人とかという話が出てきていますが、じゃIT不況じゃないかと言われますが、そういう世界と中小企業がインターネットとかを活用して、ビジネスに繋げていく、売り上げを増やそうとか、そういうこととかと分けて考えて欲しい。全部が全部ひっくめられて、あんなものはあかんとすぐになりますので、その辺はぜひ分けていただきたいなと思います。
で、本当にそうなのだろうかということですが、私は結論から言ってそうは思わないと。分けて考えて欲しいなと。それどころか逆に、インターネットを取り入れずに、これからビジネスが成り立たない時代になっていくのではと。全てが新しいコミュニケーションの手段に関わってくると。携帯電話を見ても分かるように、みんなが使うようになりましたよね。これもインターネットの一種だと思うので、こういう流れの中で、私は関係ないよとは言っておられないのではと。
それから、何で儲からないとか余り良くないとかというふうになっているかというと、インターネットやITはこんなことが出来ますよというようなネタで、会社を作 って、投資資金を集めて、株式公開するだけが目標だけだった会社がたくさんありました、98年とか99年には。そういったところが淘汰された。それで印象が悪くなったということがありましたが、地に足をつけたビジネスを地道に、磁石を1個1個売っているところ、受注制作で、何かアルミの加工を請け負ってやっているところは、どんどん新しい市場からの仕事を増やしていっていますので、全て一括りにはしないで欲しいなということです。それで私が思うには、インターネットを革命と言うのは大袈裟過ぎるかも知れないですが、そういう変化の時代であるということは言えると思います。私は100年に一度のビジネスチャンス、特に中小企業とか個人の方のアイデアとか自己実現とか夢を実現出来る社会になってきたのではと。非常にチャンスが私としては大きいから、ぜひ活用して欲しいと思います。
■ 何故?100年に一度のビジネスチャンスなのか
何故?100年に一度のビジネスチャンスなのかということですが、今東京は景気が悪いと言われていますが、今までの不況とか景気が悪いのとは違って、私は不況でなくて変革期だと。今非常に変わろうとしている。教育も政治も変わらないといけないし、いろんなものが変わらないといけないが、なかなかそれが今までの成功体験がありますから、その経験を否定してまで、たかが5年、6年のインターネットが出てきたことによる変化で変えられないという、それが積もり積もっていろんな制度疲労が起きているだけだろうと。だから思い切って考え方を変えた方が良いんじゃないかと。ただ、人間は変革期の中にいると、そのことに気がつきにくい。革命でも血を流すような革命の場合は分かるのでしょうが。
例えば産業革命がありました、100年前に。もっと前ですが、日本に入ってきたのが100年くらい、100年前かな、明治の始めに蒸気機関車が入ってきまして、鉄道というのが出来た頃がありますね。東京の新橋から横浜まで鉄道が出来ました。あれが出来たときも、今と同じようなことがあったと言われています。鉄道の駅を自分たちの町に作ることを拒否したところがたくさんあったのです。
地に足をつけたビジネスの成功例を上げてみたのですが、電子商店がインターネットの世界では元気なところが多いです。売っていないものがないというくらい、肉だろうが魚だろうが、米だろうがTシャツだろうが傘だろうが家具だろうが、いろんなものが個人のパパママストアレベルで売られています。そういうところでも、本当にパパママレベルでも、年商1億円を超える店舗が、OSMCという有力な電子商店が 集まった協同組合のようなものがあるんですね。そこの代表の森本さんと、この間電話で話したときに、今240店舗くらいになっていますが、220店舗の頃に1億円を超えた20店舗くらいあるだろうと言っていました。ですから、1割くらい。5000万円を超すものは50店舗くらいはあります。一人や夫婦でやっていて、食べられる最低レベルは1000万から1500万円くらいだと思うのですが、そのレベルだったら半分以上の電子商店は達成しているということで、実際EC、インターネットを使った物販で食べられる人たちがOSMCでは半分以上のところまでは来ています。それからそこからもっと一歩踏み出して、年商5億円くらいを達成するアウトドアショップ。ナチュラムさんとかオンラインパソコンショップ、これは倉庫があるのですが、年商100億円を超えているとも言われています。
こういうのは物販だから消費があるからとなると思うのですが、そうではなくて製造業で、これはアルミとかステンレスとかを加工する会社なんですが、例えば大手自動車会社系列の仕事をもらっていたのを、どんどんコスト削減を言われて、中国と競争をさせられて、忙しいけれど儲からない、赤字やということになってきた。これは困るということで自分のところの技術、こんな加工をやってきました。こういうことが出来ます、これだけの精度があります。こういう検査設備を持っていますということをしっかりと情報発信することによって、今までの系列の取引を止めても、新しい取引先から利益を取れるネット受注を受けて、十分にやっている、凄く儲かっている会社が出てきています。このようにインターネットでものを売ろうとしたら、商品がないといけないのではとか、そういう固定観念を持たなくてもいいのではと思います。このように中小企業には多くの成功例があります。
■ では、どうすればいいのでしょうか?
これは変化を感じ、変革であることを理解する。これは要はいろいろ遊んでみてくださいということです。電子メールを使ってみるとか、エッチなWebサイトをたくさん見るとか、こういうことが大切だという風に思います。付け加えますと、電子メールを携帯電話でもいいから使えるようになりますと、女の子のいる飲み屋に行くと、電話番号を聞きにくかったりするのですが、携帯アドレスを教えてくれと言ったら、割と教えてくれます。しかもおじさんが聞くと、おじさんも出来るのみたいな、ちょっとポイントが上がります(笑)そういう面でも使っていただきたいなと思います。
結局は今日もこう集まっていますが、何をしたいかという、儲けないといけないわけですね。どんどん売り上げも落ちてくるし、非常に景気も悪いということになってきていますので、どうやって活用したらいいのかというところに入っていきたいと思います。
■ 勇気を出して情報発信!からはじめよう!!
それでとにかくやって欲しいことは情報発信なんですけど、まずその前に、儲けるには二つの道があると思います。収入を増やす、売り上げを上げて、たくさんお金が入るようにするというのが一つの道。それからもう一つは、そのお金を出さないようにする。経費節減ですよね。例えばコンピュータを導入して効率を良くして、人を減らすとか、紙を余り使わないようにするとか、伝票も自動で出るようにして、時間を活用するといった、出を押さえる方。だから売り上げ上げる方と出を押さえる方を、どちらでも儲かる、どちらも大事なんですけれど。
ITの活用でも二種類の使い方が出来ます。もともとはインターネットがなかった頃はこちらしかほとんど使いようがなかったですね。この「内向き型」。昔15年くらい前から良く言われたように、OA化、オフィスオートメーション化。伝票を手書きを止めましょうとか、そういうことで、その頃のマイコンとかコンピュータ、オフコンにより生産性の向上、パソコンをLANで繋いで情報を共有化することで効率を上げようとか、これは合理化を目的としたもの。こういう方法のITの活用は多くのシステム屋が提案してきます。今までの実績もありますし、成功例もありますので、これも大事なことですが、どっちかというと今からは、不況や不況と言うことは結局はものが売れないとか、ビジネスが大きくならないので、良くないのでそういう方向に使っていくには、「外向き型」、市場開拓とか新規市場を見つけるとか、そういう目的でITを使って欲しい。
■ 勇気を出して情報発信!ご褒美は?
情報発信をしたら、じゃどういうことになるのかということなんですけど。まず何を情報発信するかということですが、やっぱり自分のところの持っているものを正直に、出してはいけないもの出さなくてもいいですけれど、情報を出す。そうすると自社の出来ることや特徴、どんな技術があるとか、たいていここに来られる方は中小製造業の方、繊維関係の方が同席していますが、買う製品じゃないと思います。これを作る技術があるとか、我々の場合はもっと金属加工屋ですから、例えばこのベルトの部分、部品を作る技術があるとかいうことなんですね。この時計が売れるわけじゃない。これは私の時計で、このつなぎ目のところのピンが作れるとか、技術をちゃんとアピールしないといけない。今までそうしたことをやっていなかったから、どうしていいか分からないからなかなか出来ないのですが、それはずばり正直に変えていく。自分の言葉でしっかりと書く。
そうするとどういうことが起きるかというと、教えてくれます、それを見た人が。何が分からないかを。そしたらそれによって変えていけばいい。勇気を出して情報発信した企業へのご褒美は、ユーザーのニーズが聞けるということです。「あんたところ磁石の情報、こんなのを出しているけれど、こういうものは出来ないのか、こんな磁石が欲しいと、こういうのは東急ハンズで売っていないのであんたところで作らないか」と、こんなニーズが入ってくる。これが今までなかったことです。こちらも個人レベルで情報発信をしていますが、お客さんも情報発信してくれますから、双方向のコミュニケーションが成り立つわけです。
■ 変わらなきゃ♪
要は変わらなきゃあかんのですが、本当に今、革命という言葉を使うと、この頃はIT革命とか言われていますが、そういうものが出来てきたのは本当に期間が短くて、凄いスピードで広がっていますので、みんなもやらなあかんのかなとなるのですが。その前の戦後50年間がやっぱり永くありまして、それでずっと右肩上がり、私も昭和37年生まれ、今年40歳ですが、ずっと右肩上がりで来ましたので、大量生産、大量販売。例えばメーカーに勤めている人は、製造業は作るだけでいいと。運ぶ人は運ぶ、売る人は売るというふうに分業化された。その仕組みがこの50年間凄くマッチした。それで良かった。それで日本は凄く伸びた。
だけど、それが今変わろうとしている。個人の時代とか趣味も分かれて言ってますよね。みんな同じ方向を見ない。だからそういうものに対応しようとしたら、今までの仕組みの対応はなかなか出来ないとか、系列からの仕事をもらっている間は、親会社からの仕事をもらっている間は、その情報は隠している方が商売になったわけですね。そのことを言わない、どんな制度でやっているか、どんな格好でやっているか、全部内緒。そういうことで、その代わり親会社はかならず仕事をくれた。という時代が永く続いた。とか、市場が特殊やから、うちの会社は特殊やから、市場が限られているとかいうように勝手に思いこんでしまっている。そんなことがあるから戦後50年の間に日本人の中にしみこんでしまった。それがなかなか変えられない。それを今変えないといけないのじゃないかと思うのですね。本当に右肩上がりは終わったとはみなさんもお分かりだと思います。これはいろんな説がありますが、これは1985年くらいに終わっていると思うのですが。それから最近ではデフレと言われた、中国から安い製品がどんどん入ってきたり、これで今までのやり方は通用しなくなってきた。
■ マグネットワールドについて…
マグネットワールドについての具体的なところに入っていきたいと思います。マグネットワールドの特徴ということですが、BtoC、一般消費者向けの商取引とBtoBの両方が両立しているところが珍しい。売り上げ規模で言うと、だいたい月に1000万円くらいの売り上げがあって、そのうち2割くらい、200万円くらいが個人の方。それと800万円くらいが法人の方と最近はなってきています。
■ マグネットワールドの戦略!?
それからマグネットワールドの戦略ということになると、商材的に商品を並べただけでは売れない。だけど磁石に関する情報や自分自身の情報や会社の情報を載せていくことで、載せていった方が良いんじゃないかということでやった。
それから情報を出したら、情報が欲しいわけです。メールをいただいたり、電話でも良いのですが、出来たらメールの方がありがたいですが。そしたらもらいやすいようなホームページ作りをしたと。
それからただ単にホームページに情報を書くだけでなくて、掲示板を作って、そこにお客さんに、見に来てくださった方に情報を書いてもらったり、メーリングリストでやりとりをしたり、メールマガジンを発行して、磁石の情報をお客さんに届けていった。こんなことをやったのですが、これを戦略的にやったかというと、どちらかというと、とにかく最初の情報発信はしたのですが、そこから先はメールマガジンにしても、そういうふうに「お宅のホームページはよく更新されていて、情報が載って新しくなっていくのだが、それを知らせてくれとメールで」とお客さんから要望があって、それでこれを始めたのです。そういうことですので、もの凄く戦略的であったかというと、そうではなくて、走りながら考えて、試行錯誤した結果が結びついていったということです。
■ マグネットワールド成果は?
実際マグネットワールドはどんな風に変わったかと言いますと、問い合わせの増加。インターネット以前、96年以前は月間10〜20件くらいお得意さんから電話があったくらいだと思います。それが現在では月間200件〜300件の問い合わせ。Eメールとか電話とかFAXで寄せられるように変わりました。それだけ情報発信に対して応答があるということですね。
取引先の増加。二六製作所というのは、多いときで25人くらいで、このインターネットを始める前は一番悪くて、どんどん人も減っていって業績も落ちてきましたので、8人になった。ほとんど営業力がありません、社長が取引先を回る程度で、新規営業などほとんどやっていなくて、じり貧になっていました。それがホームページに営業をさせることによって、スポットが多く、継続的取引は少ないですが、企業は2200社の方が買ってくれています。それから学校が250校くらい。個人の方が2500人。もうちょっとこれは増えていますけれど、どんどん増えていますので。企業と言っても、5000円、3000円を一回買ったところも入っていますが、入っていますが、データベースには一応これくらい残っているということ。
■ これからインターネットマグネットワールドITを活用しようとお考えのみなさんへ
最後にこれからインターネットを活用しようとお考えのみなさんへのアドバイス、こういうふうにやって欲しいことを10個並べてみました。
※このあと活発な質疑応答で、参加者の方と有意義なディスカッションをさせていただきました。みなさん、ありがとうございました!!
こんな感じの具体例をまじえた堅苦しくなく、分かりやすいお話をさせていただきます。実際のeビジネスに取り組んできた“生の声”“経験値”はきっとみなさまのお役に立てるものと確信しております。